東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 食品栄養化学研究室

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研究テーマ

食品廃棄物に含まれる生体調節因子の分析とその機構解明

 生活習慣病の予防に役立つ機能性食料の開発・実用化を目的とし,食料の持つ生体調節因子に着目し,生体リズムの調節,疾病の予防と回復などに関わる生体調節因子の分析とその機構解明を行っている.我々はマウス個体レベルおよび培養脂肪細胞において,食品廃棄物である洗米排水や脱脂穀類糠に含まれる比較的極性の高い脂溶性画分にヒドロキシ桂皮酸類縁体植物性ステロールエステル類(PSHCE類)が存在し,これらが転写因子であるNuclear Factor kappa B (NF-κB)の活性化を抑制すること(Nagasaka et al., BBRC, 2007),さらにNF-κB活性化を抑制することにより,核内受容体Peroxisome proliferator activated receptor γ (PPARγ)の抑制が解除され,脂肪細胞の過分化およびアポトーシスを誘導するとともに,血中アディポネクチンレベルを上昇させて脂肪細胞や筋および肝細胞における脂質代謝を促進し,インスリン耐性を有する2型糖尿病を改善すること(Nagasaka et al., Phytomedicine 2011; Ohara et al., Phytomedicine 2011, 2009),炎症性大腸炎の予防(Islam et al., British J. Pharmacol. 2008)や抗アレルギー作用(Oka et al., Phytomedicine 2010)などを明らかにしている.

 これらの成果はすでに特許出願,商品化・実用化しているが,その詳細なメカニズムをさらに検討していく必要がある.また,最近mammalian target of rapamycin (mTOR)というタンパク質リン酸化酵素が転写因子NF-κBとクロストークしている可能性を示唆し,これらの相互作用などを研究し,食品廃棄物を有効利用するとともに人類の健康増進に役立てようとしている.

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