東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 食品栄養化学研究室

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研究テーマ

魚類代謝制御機構の解明および食品利用への応用研究

 魚はもともとインスリン感受性がないに等しく,いうなれば重症な生活習慣病であることが分かっている.哺乳類では脂質や糖質などの代謝制御経路が明らかにされているのに比べ,魚類では代謝制御経路はほとんど解明されていない.現在の魚類養殖では,高エネルギー飼料が大量に使用され,水圏環境に大きな負荷を与えるとともに,大量の食資源を浪費している.これは魚類におけるアミノ酸・脂質代謝の制御機構に関する理解の遅れが原因であるといえる.我々は魚類の脂質・糖質代謝制御経路のさらに詳細なメカニズム解明を行い,味もヒトの体にも「美味しい」養殖魚の開発を目指している.
これまでに我々は米糠中に含まれる成分であるPSHCE類が哺乳類において糖質・脂質代謝亢進作用があることを明らかにした.哺乳類で確認されたように,魚類でもPSHCE類を投与すると脂質代謝を活発にすることで飼料効率が高まることが明らかとなった.また,健康機能性を有するものの畜肉には蓄積されないPSHCE類が魚類に蓄積することを明らかにした(特開20089-011258,PCT/JP2009/001228).本研究では穀類残滓糠投与による魚類脂質代謝制御を可能とし,水圏環境負荷の大幅な軽減だけでなく,生活習慣病を予防するための養殖魚の提供が可能となる.

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